今井ゆみ X IMAIYUMI

多摩美術大学 絵画科日本画専攻 卒業。美大卒業後、広告イベント会社、看板、印刷会社などで勤務しながらMacによるデザイン技術を習得。現在、日本画出身の異色デザイナーとして、日本画家、グラフィック&WEBデザイナーなど多方面でアーティスト活動中。

姉と再会

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「まだ見つからないのか?」

古代進は、レーダーでイスカンダル星の爆発跡からコスモタイガーを探している相原に聞いた。

「はあ、探しているのですが見つからないです。何せ、星1個が爆発していますから、その衝撃波と欠片の量が半端ない量でして・・」

相原は、古代進に返事した。

「それはそうよね。この欠片の中から探し出すのは、並大抵ではないと思うわ」

「これだけの数ですものね」

森雪と祥恵は、相原に声をかけた。

「ね、本当にゆみだったの?」

祥恵は、森雪に聞き返した。森雪と一緒にいた生活班の後輩が、自分の妹だったなんて偶然が未だに信じられないでいた。

「うん。だって、このネックレスの中にいる子が、祥ちゃんの妹なんでしょう?」

「ええ」

「それだったら間違いないわ。私の後輩のゆみちゃんは、祥ちゃんの妹のゆみちゃんで間違いないわよ」

森雪は答えた。

「あ、いました!コスモタイガーです」

相原が叫んだ。皆は、一斉に相原の方を向いた。

「大型スクリーンに映し出しますね」

相原は、自分の発見したコスモタイガーの現在位置を大型スクリーンに大きく映し出した。その姿を見て、皆はおもわず絶句してしまっていた。

「こ、これは・・」

古代進は、コスモタイガーの機体を見てつぶやいた。

それはコスモタイガー機というよりも、かつてコスモタイガー機だった残骸といったほうが良いぐらいの状態だった。左右の翼は破壊され、折れ曲がっていて、尾翼も、機体の本体もあっちこっちに大きな穴が開いていた。

「この機体は、動いているのか?」

古代進は、相原に思わず聞いてしまった。

「あの、いちおう動いてはいます。船速はわずかではありますが、少しずつヤマトを目指して移動しているのは確かです」

相原は、コスモタイガーの位置を計測しながら言った。

「動いているってことは、中にパイロットはちゃんと存在して、機体を操縦しているということで良いのよね?」

祥恵は、自分に言い聞かせるように、相原に訪ねた。

「はあ、おそらく機体を操縦していなければ、機体は動くわけありませんから、中でパイロットが操縦しているだろうとは思いますが」

相原は、祥恵に答えた。ただ・・、

コスモタイガーが自動操縦でヤマトを目指している可能性も無くはないかもしれないと相原は思っていた。その場合、パイロットが自動操縦にした後で亡くなってしまったとしても機械だけが操縦を続ける場合もあり得る。そうは思ったのだが、相原は、そのことを祥恵に口に出して伝えることはしなかった。

「少し、機体のスピードが上がりましたね」

相原は、コスモタイガーの速度を計測していて、気づいたことを伝えた。

「ということは、自動操縦ではないってことね」

「いや、これは、おそらく宇宙風の影響かと思います。ヤマトの付近は現在、けっこう強めの宇宙風が吹いています。その風に乗ったせいでスピードが上がったかと」

相原は答えた。

「ともかく、コスモタイガーは格納庫に向かっているのだよな。だったら、ここは相原に任せて、俺たちは彼女を迎えに格納庫に行こう」

古代進が、皆に言って、皆は相原だけを第二艦橋に残して格納庫へと移動した。

 

「あ、古代さん。相原さんから通信です」

古代進が格納庫に入ると、コントロールルームにいた田中さんが声をかけてきた。古代進は、コントロールルームに入ると、相原と通信で話す。

「どうした?」

「あと30分ぐらいでコスモタイガーはそちらに到着するかと思われます。コスモタイガーですが、宇宙風に乗って、かなりのスピードで格納庫に突っ込んでくるかと」

「わかった。受け入れ準備しておく」

古代進は、格納庫の中にあるフォークリフトに飛び乗った。コスモタイガーが格納庫に突っ込んできたら、これで受け止めるつもりだ。

「俺、そっちのクレーンで補助します」

坂本がクレーン車に乗ると、古代進とともにコスモタイガーを受け止める準備をした。

「坂本、頼む」

古代進は、坂本に答えると、

「ほかの者は、火災が起きたときのために消化器の準備をしていてくれ」

ほかの手の空いていた乗組員たちは、片手に消化器を構えて火災に備えていた。

もう、まもなくコスモタイガーは格納庫に到着しそうだった。

スターシャの力につづく

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