今井ゆみ X IMAIYUMI

多摩美術大学 絵画科日本画専攻 卒業。美大卒業後、広告イベント会社、看板、印刷会社などで勤務しながらMacによるデザイン技術を習得。現在、日本画出身の異色デザイナーとして、日本画家、グラフィック&WEBデザイナーなど多方面でアーティスト活動中。

最後の戦い

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「なんだ、あれは!?」

古代守は、爆発の後から現れた巨大な鉄骨のような構造物を見てつぶやいた。

「骨、骨している・・」

思わず祥恵は、爆発の中から現れた構造物を見て、ゆみが言っていた言葉をつぶやいてしまっていた。

「確かに骨、骨しているよな」

「祥ちゃんの妹が、ここで話していた骨、骨の形態しているな。ってことは、ゆみ君は、この姿を目にする前から、この姿のことを知っていたってことか」

祥恵の思わずつぶやいてしまった言葉を聞いて、古代進と島大介も答えた。

「あいつ、なんでわかったんだろう?随分と不思議な力のある子だな」

「本当に・・。どうして、いったいどこで、あの子ったら不思議な力を身につけてしまったのかしらね。昔は、そんな力ぜんぜん無かったのに」

祥恵は、古代進たちに言われて、自分でも妹の不思議な力に驚いていた。

「さて、どうしたものかな」

第二艦橋にいるヤマト乗組員たちは、骨、骨した構造物を眺めながら考えていた。

「艦長、暗黒星雲から通信が入っています」

相原が、艦長の古代守に言った。

「はい」

古代守が通信に答えると、第二艦橋の大型スクリーンには地球総司令官いや暗黒星雲の総司令官の姿が映し出された。

「ヤマト艦長。せっかく晩餐会にお招きした我々に随分と手荒い挨拶をしてくれるではないか」

暗黒星雲の総司令官は、ヤマト艦長に言った。

「そちらこそ、200年後の地球とか我々のことを騙して・・」

「まあ、良い。君たちがその気なら、我々の戦艦は全力で君たちに向かっていくだけだ。晩餐会の会場で見た映画のように、宇宙戦艦ヤマトは我々の戦艦によって暗黒星雲の中で粉々に砕け散ることだろう」

暗黒星雲の総司令官は、ヤマト艦長に向かってそれだけ言うと、高々と声を出して笑って無線が切れた。無線が終わると同時に、敵の骨、骨した構造物からは、次々と戦艦や艦載機が発進してきてヤマトに攻撃してきた。

「総員戦闘配置!出撃!」

古代守は、ヤマト乗組員たちに命令すると、各ヤマト乗組員は戦闘配置につき、攻めてくる敵の機体に向かって応戦しはじめた。祥恵も、坂本たちコスモタイガー隊を引き連れて、コスモゼロ機で出撃した。

「お姉ちゃん!」

ゆみは、コスモゼロ機で出撃するため、格納庫に走って行く祥恵の姿を見つけて、医務室の前の廊下から呼びかけた。

「どうしたの?」

「あたしも行く!」

「どこへ?出撃するっていうの?あなたは、戦士でも何でもないでしょう。そこで、おとなしく待っていなさい!」

祥恵は、ゆみに言うと、そのまま格納庫に行き、出撃してしまった。

「雪さん、あたしも行かなきゃいけないんだけど」

1人残されたゆみは、医務室にいる森雪に言った。

「行く?行かなきゃいけないってどういうこと?」

「サーシャさんが、サーシャさんを迎えに行かなきゃならない。あたしでなきゃ、サーシャを連れ戻せない。サーシャさんがいる場所の構造が、ほかの人には絶対にわからないと思う・・」

ゆみは、森雪に言った。

「雪くん。サーシャから通信が入っているみたいだぞ」

医務室の中から佐渡先生が森雪のことを呼んだ。森雪に、ゆみも医務室の中に入った。

「艦長。この暗黒星雲の構造物は、中心に向かって波動砲を撃たなければ倒せません。私が、これから構造物の入り口と出口のゲートを開きますから、コスモタイガーの皆さんは、そこから中に入ってください。そして中心までのルートを確保したら出口から外に逃げてください。その後、そこに向かって、ヤマトは波動砲を撃ってください」

サーシャは、暗黒星雲の構造物の中からヤマトに通信を入れてきたようだった。

「よし、わかった。澪がゲートの扉を開いてくれたら、コスモタイガー隊は中に突入してくれ」

艦長である古代守は、コスモタイガー隊に指示をした。

「了解!」

祥恵は、坂本たちを引き連れて、サーシャの開いてくれたゲートから暗黒星雲の構造物の中に突入した。

「雪さん、あたしも行かないと・・」

サーシャからの無線を聞いた後、再度ゆみは森雪にお願いした。

「わかったわ。ゆみちゃんも行ってらっしゃい」

森雪は、決断した。

「ありがとう。必ずサーシャちゃんは連れて帰ってくるから!」

ゆみは、森雪にそう約束すると、格納庫に走って行き、その一番奥に停められていたピンク色のコスモタイガー機で出撃した。イスカンダル星の爆発のとき、ボロボロに壊れてしまったピンクタイガーは、きれいに修復されて、ちゃんと格納庫の中に保管されていたのだった。

サーシャを救えにつづく

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