今井ゆみ X IMAIYUMI

多摩美術大学 絵画科日本画専攻 卒業。美大卒業後、広告イベント会社、看板、印刷会社などで勤務しながらMacによるデザイン技術を習得。現在、日本画出身の異色デザイナーとして、日本画家、グラフィック&WEBデザイナーなど多方面でアーティスト活動中。

プリンセスゆみプロデュース

ニューヨークピュアストーリー

日本の商社のニューヨーク支店に勤める隆が、妹のゆみとニューヨークで暮らす二人暮らしのハートフルホームコメディ。


兄の隆
隆は、遅刻しそうなので少し焦って、ケネディ空港へのフリーウェイを愛車のオールズモービルで飛ばしていた。マンハッタンの会社での業務が予想以上に時間が掛かってしまったのだった。

お迎え
隆がケネディ空港に到着したのは、4時を15分ほど過ぎていた。しかし、日本からの飛行機も到着時間がかなり遅れていたため、お出迎えにも間に合ったようだった。

岡島さん
岡島さんは、亡き母の大学時代の同級生だ。彼女の夫は、亡き父の会社の同僚で、現在、隆が勤めるニューヨーク支店の上司だ。

隆の妹
隆の妹、ゆみが生まれたのは8年前のことであった。ゆみは大変な難産の末、未熟児で生まれた。ようやく退院できる妹を抱きかかえ、両親と病院を出た時、両親は飛び出してきた大型トラックに轢かれ亡くなってしまった。

隆の決意
両親を亡くした隆は単身、ニューヨークに残り、ニューヨークで妹のゆみを育てていくことを決意した。

商社勤務
隆は、父の勤務していたニューヨーク支店の商社、総務部で働きながら、まだ幼い妹を育てていくことになった。

栄転
岡島さんの一家が日本へ帰国した後も、隆は1人、ニューヨーク支店の総務部で仕事を続けながら、妹のゆみを育てていた。

再会
岡島さんはニューヨーク支店長として赴任した。それに伴い、岡島さんの家族もニューヨークに再度引っ越してくることになったのだった。

美香ちゃん
亡き母は、岡島さんと同時期に妊娠し、同じニュージャージーの病院で出産した。母は妹のゆみを出産し、岡島さんは美香ちゃんを出産した。

リバーデール
隆たちは、マンハッタン郊外のリバーデールの街に住んでいた。比較的、治安の良い街で、大勢の日本人家族がこの街に暮らしていた。

PSスクール
PSはパブリックスクールの略称で、アメリカの公立小学校のことを意味する。ニューヨークの公立小学校は番号で分けられていて、隆たちの住むリバーデールのエリアは第24小学校だ。

良明くん
隆が見るかぎり、良明は、元気で活発そうな少年だった。野球が好きで、日本ではキャッチャーを担当し、試合では皆のまとめ役だったらしい。

4兄妹
岡島さんの子は、5年生になる長男の良明くん、3年生になる妹のゆみと同級生の美香ちゃん、1年生の理香ちゃん、そして園の年長組の萌香ちゃんだ。

総務の仕事
隆は、ニューヨーク支店の総務部に配属し、支店に赴任してきた社員たちと社員たちの家族のニューヨークでの暮らしをサポートするのが仕事だった。

ゆみは主婦
両親がいない兄妹2人暮らしなので、兄の隆は会社、妹のゆみは家事を担当し、それぞれ暮らしていた。

妹のゆみ
妹のゆみは、ニュージャージーで生まれ、生まれた時からずっとニューヨーク暮らしなので、日本語は書けないし辿々しい。その代わり、英語は優秀だった。

記憶にない
妹のゆみは、生まれたばかりの頃、岡島さんとも会っているはずなのに、さすがにその頃のことは何も覚えていなかった。

英語の会話
ゆみは、日本語よりも英語の方が得意だった。日本人の兄の隆と話している時でも、油断すると、話している会話が自然と英語になっていた。

日本人1人
学校で、ゆみのクラスには、日本人がゆみ1人しかいなかった。日本語を話す機会もなく、日本語が下手なので、クラスの子からは、ゆみは日本人じゃないと笑われていた。

転校初日
月曜日、岡島さんの子供たちのアメリカンスクール転校初日であった。一応、総務部の隆も付き添って、学校へ来ていた。子供たちの転校を見送ってから、会社へ出社する予定だった。

中山先生
中山ゆり子先生は、第24小学校とクイーンズの日本人学校で学校事務の仕事をしている。先生ではなく学校事務の事務員なのだが、隆やゆみは、ゆり子先生と呼んでいた。

転校生
アメリカ人ばかりの学校に転校するのを不安がっていた美香も、中山先生が一緒についてきてくれたので、すっかり安心してクラスの皆と打ち解けられた。

隆の出社
隆は、岡島さんの子達が無事、小学校に登校できたことを見届けると、いったん岡島さんの奥さんを家まで送り届けてから、マンハッタンの会社に出社した。

おはよう!
ゆみのクラスに、珍しく転校生がきた。担任は、新しい転校生は日本人の生徒だと言うのだが、ゆみの話す日本語を転校生は全く理解していないようだった。

ヨシュワキー
転校生の名前はヨシュワキー君といった。担任の先生は日本から来た転校生だと言ったが、日本人ではなく中国人か韓国人かもしれなかった。

新しいお友達
ゆみは、自分が一番上手に話せる日本語で、新しいお友達に声をかけたのだが、やはりヨシュワキーは中国人か韓国人らしく話が通じないようだった。

お帰りなさい
いつもは、英語で話すほうが楽なので、兄とも英語で話しているのだが、その日の夜は、必死で日本語を話していたゆみだった。

お友達の名前
新しいお友達の名前から日本人ではなく、中国人か韓国人だろうと隆は予想した。ゆみも、兄の予想が正しく、ヨシュワキー君は日本人ではなかったのだと結論づけた。

中国人
隆の中国人か韓国人だろうと言う話を、ゆみはシャロルやマイケルにも説明し、クラスの皆も、ヨシュワキー君は中国人ってことで落ち着いた。

ヨシュワキーは日本人
転校生が来て2週間。昼休みに出会ったヒデキ君と話していて、ヨシュワキー君は日本人だったということが判明した。

中国人は断食中
ゆみも、シャロルもマイケルもランチタイムには持ってきたサンドウィッチと小さな缶ジュースのランチを食べる。ヨシュワキー君は中国人で断食中らしく食事はしないようだ。

チェッカー
第24小学校では、ランチタイムの食事が終わると、ボードゲームが配られて、生徒たちはチェスやチェッカーをやって、お昼休みを過ごしていた。

ヒデキ君
ゆみは、ヒデキ君に一方的に好かれていた。ゆみは告白された事は無いのだが、ヒデキ君は周りの友人には、俺はゆみが好きだからと公言していた。父が隆の会社の上司だし、邪険にするわけにもいかず面倒なのだ。

軽い嫉妬
ヒデキ君とヨシュワキー君は知り合いだった。2人のお父さん同士は、同じ会社に勤務しているというのだ。では、隆とも同じ会社ということなのだろうか。

発音ミス
どうやら、ヨシュワキーはミセスロースチン先生の発音ミスのようだった。正確な彼の名前は、良明と言った。中国人でもなんでもなく日本人だった。

優等生クラス
ゆみのクラスは、5年生のクラスの中で最優等生のクラスだった。ヒデキのクラスは日本人生徒が一番多く下から2番目のクラスだ。カバこと樺村君のいるクラスは最下位クラスだ。

ゆみと同じクラス
ヒデキは、良明がゆみと同じクラスと聞いて嫉妬していた。良明が自分たちのクラスにいき、ヒデキがゆみのクラスに行きたかったと言ったが、ゆみは小声で椎名に良明が一緒でよかったと答えた。

事件発生!
良明の手が当たって、ゆみの髪のバレッタが落ちて、階段から転がって壊れてしまった。兄に買ってもらった大切なバレッタだ。ゆみは、思わず泣いてしまった。

大騒動へ
少し泣いてしまったが、ゆみはそれほど気にしていなかったのに、良明がゆみのバレッタを壊したと、良明のお母さんに文句を言えと、ヒデキは大ごとにしてしまった。

ヒデキお兄さん
ゆみとヒデキ達とは、学年は同学年だが、実年齢は、ゆみの方が皆よりも3歳年下だ。3つ上のヒデキに、良明のお母さんに言えと言われたら、なかなか断りづらい。

バレッタは託された
それじゃ、良明にバレッタを壊されたと、彼のお母さんにちゃんと言うんだよ、そう、ゆみに言うと壊れたバレッタをゆみの手の中に握らせるとヒデキは、エレベーターを降りてしまった。

階段の迷子
良明は、自分が住んでいる階を、ゆみに教えてくれなかった。ゆみはエレベーターや階段であっちこっち行ったり来たりを繰り返していた。

迷宮の良明宅
良明の家が、どこなのかさっぱりわからず、ゆみは良明と2人、エレベーターの中で途方に暮れていた。

ヒデキと再会
エレベーターは4階で停まり、野球をしに出かけようとしていたヒデキと椎名に遭遇した。ヒデキは、17階のボタンを押すと、エレベーターは再度上昇し始めた。

最上階
良明君は、ゆみ達の住むアパートメントの一番最上階に住んでいた。17階といえば、一番高価な部屋の在るフロアだ。

兄がいた
ゆみは、良明の家のベルを鳴らすと、中から聞き覚えのある声が聞こえた。どうして、良明の家に兄の隆がいるのかわからなかった。

良明の家
良明のお母さんは、ゆみのお母さんの大親友で、ゆみにとっても、とっても大切な人だった。

可愛らしいお友達
ゆみは、良明のお母さんが優しい方で安心した。壊れたバレッタを大切に受け取ると、良明のことを一言叱ってくれた。

お兄ちゃん
壊れたバレッタのことで、良明ではなく、ゆみの方が兄の隆に怒られてしまっていた。

岡島さん
ゆみは、良明のお母さん、岡島さんとは、全く記憶にない、覚えていない赤ん坊のとき以来の再会だった。岡島さんは、ゆみのことを懐かしそうに優しく抱きしめてくれた。

同級生
ゆみは、3年ほど飛び級進学しているので、ゆみと美香は同年齢だったが、ゆみと良明は同学年だった。ゆみは、飛び級進学しているため、3つ年上のヒデキや椎名とも同学年だった。

虚弱体質
小さい頃から体の弱かったゆみは、家で勉強する時間だけはたっぷりあった。そのため2年から3年の進学のとき、3年でなく5年へと飛び級進学していた。

良明の妹
ゆみは、隆の横に座って、良明の妹の美香ちゃんと話していた。良明の妹の美香ちゃんとは同い年だ。

日本語下手くそ
ゆみは、必死で美香の話す日本語を聞いて、返事を日本語で返していた。自分と同い年の日本人の女の子って聞いて、仲良くなりたかったのだった。

大きな声
良明は、ヒデキたちとすごく大きな声で元気にサッカーゲームをしていた。学校のクラスでは、ぜんぜん見られない姿だった。

小さな声
それまで大きな声で、ヒデキ君たちと遊んでいた良明の声が、ゆみが側に行くと急に小さな声になってしまった。

ロースチンクラス
ゆみと良明のロースチンクラスとヒデキ、椎名の日本人クラスで別れて、サッカーのボードゲームをやることになった。

妹たち
運動と名のつくものはなんでも得意の隆は、ゆみに代わって良明とチームになって、ヒデキ・椎名チームとサッカーのボードゲームを始めた。

また大きな声
ゆみが男の子たちから離れ、隆が加わると、小さな声だった良明の声がまた大きな声に戻って、元気にサッカーゲームを始め出した。

兄の初恋
兄に好きな女の子ができた時、兄はその女の子の前だと照れて、せっかくお母さんが作ったお弁当を一口も食べなかった事があったと、美香は兄の初恋の話をゆみにした。

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