今井ゆみ X IMAIYUMI

多摩美術大学 絵画科日本画専攻 卒業。美大卒業後、広告イベント会社、看板、印刷会社などで勤務しながらMacによるデザイン技術を習得。現在、日本画出身の異色デザイナーとして、日本画家、グラフィック&WEBデザイナーなど多方面でアーティスト活動中。

暗黒星雲突入

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「ね、危ないよ!ヤマトの左舷に岩石!」

ゆみは、第二艦橋にいた。

あまりにも祥恵が戦闘班長の仕事が忙しいとかで、ちっとも自分たちの船室に戻ってこないので、ゆみの方から第二艦橋の祥恵のところに遊びに来たのだった。

「うわ!本当に左舷にデカい岩石があったよ。危ないところだった」

ゆみの声を聞いて、ヤマトのステアリングを握っていた島大介が、慌ててハンドルを回して、左舷の岩石を回避しながら叫んだ。

「しかし、レーダーも何も見てないのに、よく左舷に岩石があるなんてわかったな」

島大介は、レーダーも見ずに左舷の岩石の存在に気づいたゆみのことを驚いていた。

「右舷に岩石です!気をつけて下さい」

今度はサーシャが、レーダーを全く見ずに、右舷からヤマトに近づいてくる岩石の存在を島大介に伝えた。

「はい、了解しました。回避します」

サーシャこと澪に言われて、島大介は近づいてきた岩石を回避した。

「しかし、澪もレーダーを全く見ずに岩石の存在を察知していなかったか?」

島大介は、今度はサーシャの方を不思議そうに見ながら答えた。

ゆみも、チラッとレーダー席に座っているサーシャの方を見た。サーシャも、祥恵の隣の席に座っているゆみの方をチラッと見ながら、私だって岩石の存在ぐらいレーダーなんか見ずにわかるわよと自慢そうにゆみに訴えていた。

「左舷後方から岩石です!」

今度は、サーシャに自慢そうな顔をされたゆみが、左舷後方の岩石の存在を島大介に伝えた。

「あ、はいはい。回避します」

島大介は、ゆみに答えながら、左舷後方の岩石も回避した。

「左舷前方にも岩石です!」

サーシャが島大介に伝えた。

「了解、回避します」

サーシャに言われて、島大介は左舷前方の岩石も回避した。

「あ、ずるいよ!左側はあたしの担当でしょう」

ゆみは、左舷に存在する岩石のことを伝えたサーシャに文句を言った。

「どっちがどっちなんて決まっていないから。早く見つけたほうが伝えればいいのよ」

文句を言ったゆみに、サーシャは、言い返した。そして、

「左舷、前方にさらに岩石です」

とサーシャは、島大介に報告した。

「あ、また左の岩なのに・・。右舷前方30度にも岩石来てます」

今度は、ゆみが右側の岩石のことを、島大介に伝えた。

いま、ヤマトは暗黒星雲の真っ黒な星雲の中に突入したところなのだった。この星雲の中に、宇宙船が通れる通路があって、暗黒星雲の宇宙船たちも、この通路を通って、地球側にやって来たのだった。

その暗黒星雲の通路を、今はヤマトが地球側から突入して、通路を抜けて暗黒星雲の内側に到達しようとしているところだった。

暗黒星雲の通路は、激しい気流が流れていて、中は、その気流に流されるような形で、いろいろな岩石や星屑がゴーゴーと流れていた。その通路の中を進むためには、ヤマトは流れてくる岩石を避けながら進むしかなかったのだった。

真っ黒な暗黒星雲の中、飛んでくる岩石を避けながら進もうと思うと、ヤマトに付いているレーダーが重要な役目を担っていた。しかし、そのレーダーを使わずに、レーダーが反応する前に、ゆみもサーシャも岩石の存在に気づいて、航海長の島大介に報告していたのだった。

「しかし、ゆみちゃんも、澪くんもすごいな!まるでエスパーか超能力者のようだな」

他のヤマト乗組員たちは、レーダーの反応よりも前に、飛んでくる岩石の存在を言い当てている2人に驚いていた。

サーシャとゆみは、お友だち同士、ライバルのように次々と飛んでくる岩石の存在を見つけては島大介に報告していた。

艦長席の古代守だけは、2人がレーダーよりも前に岩石の存在に気づくことを驚いていなかった。それよりも、娘とゆみが、まるで宝探しゲームかなにかで宝物を探し出すかのように、仲良く競い合って、岩石の存在を当てているのを見つめながら、嬉しそうに微笑ましく見守っていた。

「前方に宇宙船が飛んできます!」

ゆみが飛んでいる岩石の中を進む宇宙船を発見して叫んだ。

「その向こうにも、何隻か暗黒星雲の戦艦がこちらに向かって来ます」

サーシャも、その後方を飛んでいる敵戦艦の存在を見つけて叫んだ。

「総員戦闘配置!主砲準備!」

古代守は、ヤマト艦長らしく、他の乗組員に命令した。

戦闘班長の祥恵と古代進が、艦長の命令を受けて、敵の戦艦の迎撃態勢に入る。

「俺、敵の戦艦どころじゃないな。気流に飛んでくる岩石を避けるので精一杯だよ」

島大介は、ハンドルを回しながら岩石を回避しつつ言った。

「島さんは、操縦に集中して下さい」

「島、敵の戦艦は、俺と祥恵に任せてくれ!おまえはヤマトの操船に集中しろよ」

古代進と祥恵は、島大介に言った。

「ああ、頼む」

島大介は、ヤマトの操船に集中することにしていた。

「主砲、敵戦艦に照準あいました!」

「よし、主砲発射!」

「主砲、発射します!」

艦長の命令を受けて、祥恵はヤマトの主砲を発射した。主砲は、敵の戦艦に命中し撃破した。敵戦艦のほうも、暗黒星雲の気流の中を進むのに必死で、こちら側には集中できずにいるようだった。敵戦艦も、ヤマトの存在に気づくと、反転して戻っていってしまった。

もうひとつの地球につづく

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