今井ゆみ X IMAIYUMI

多摩美術大学 絵画科日本画専攻 卒業。美大卒業後、広告イベント会社、看板、印刷会社などで勤務しながらMacによるデザイン技術を習得。現在、日本画出身の異色デザイナーとして、日本画家、グラフィック&WEBデザイナーなど多方面でアーティスト活動中。

健康診断

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「ゆみちゃん、順番だよ」

あゆみが、奥へのドアのすぐ前に立っているゆみに言った。

「えっ」

ゆみは、お母さんの方をチラッと見てから、あゆみに答えた。

「あゆみちゃんたち、先に健康診断を受けていいわよ。ゆみは、おばさんと一緒に後から受けるから」

お母さんは、ゆみには何も聞かずに、あゆみたちに順番を譲った。

「いいわよね、ゆみちゃん」

「うん」

お母さんに言われて、ゆみも慌ててあゆみに返事した。

「じゃ、お先に」

あゆみたちが2人ずつ順番に診断室の中に入った。あゆみたちの健康診断が終わったら、次は、ゆみとお母さんの健康診断の番だ。

「さあ、ゆみちゃん。私たちも行きますよ」

ゆみは、お母さんに言われて、お母さんと一緒に診断室に入る。

診断室は、今までマーケットだったところに簡易的に作られた感じの診察室だった。その診察室の手前側に、診察用のベットが一個置かれていた。奥には、医師と向き合って腰掛けて診察を受けられるデスクとチェアが置かれていた。それぞれの診察スペースには、女医1名と看護師2名が待機していた。

「こちらで健康診断を行います。健康診断は、こちらのベッドにうつ伏せになってもらって受けるものと奥の椅子に腰掛けて受けてもらうものの2種類あります。どちらの健康診断も順番に受けて頂きますが、順番はどちらから先でも構いませんので、それぞれお好きな方からお受けになってください」

ベッドの脇にいた女医が、ゆみたちに声をかけてきた。

「どうする?ゆみちゃん、どっちから診察してもらう?」

お母さんは、ゆみに聞いた。

「どっちも嫌だ」

ゆみは、目の前にいる女医たち2人のことを睨めつけながら答えた。

「もう、ゆみちゃんったら。そんなこと言ったらダメでしょう」

お母さんは、ゆみの頭を撫でながら言った。

「じゃあ、お母さんは奥の診察から、してもらうから、ゆみちゃんはベッドの方の診察しなさい」

お母さんは、ゆみにそう言うと、奥の診察用の椅子に腰掛けた。

「それじゃ、お嬢様はこちらにうつ伏せに寝てください」

ベッドの側にいた看護師が、ゆみのところにやって来て声をかける。

ゆみは、大きく首を横に振ると、その看護師から少し遠かった。

「ほら、診察をちゃんと受けないと地上に上がれませんよ」

看護師は、そう言って、ゆみの腕を掴もうとした。その看護師の腕に向かって、ゆみは思い切り噛みついた。

「痛っ!」

看護師は、ゆみが噛みついた腕をさすりながら叫んだ。

「ちょっと、何をやっているの!しっかりしなさいよ」

ベッドの脇にもう1人いた看護師が、ゆみに噛まれた方の看護師のことを叱りながら、ゆみの方にやって来た。ゆみに噛まれた看護師も、自分の腕の噛まれた場所を2、3回ポンポンと軽く叩いた後で、ゆみの方にやって来た。

「来るな!」

ゆみは、後ろに逃げたが、狭い診察室の中なので、すぐに壁の端っこに追い詰められてしまった。

「さあ、もう観念しなさいよ」

そう言うと、看護師たちは、両側から嫌がるゆみの体を抱き上げて、ベッドの上に放り投げた。ベッドの上に投げ出されたゆみは、そのまま2人の看護師にうつ伏せの状態で抑えつけられてしまった。

「さあ、お母さんは左腕を出してください」

ゆみが嫌がっているところを心配そうに眺めていたお母さんに、目の前にいる女医が声をかけた。

「あ、はい」

お母さんは、自分の左腕を女医の前のデスクの上に出した。

「腕に注射をしますので、袖を捲ってください」

お母さんは、女医に言われて、自分の着ている服の袖をめくっていた。ブラウスの上に厚いセーターを着ていたので、うまく上腕部まで捲れなかった。

「セーターを脱ぎましょうか」

「あ、はい」

お母さんは、自分の着ていたセーターを脱いでから、ブラウスの袖を捲った。今度は、うまくブラウスの袖を上までめくり上げることが出来た。

「それでは、腕を出してください」

お母さんは、自分の腕を女医の前のデスクに出すと、両側にいた看護師がお母さんの身体をしっかり抑えつけてきた。

 

「離しなさいよ!」

ゆみは、ベッドの上にうつ伏せになりながら、大声で叫んだ。が、両側から大人の看護師に押さえつけられているので身動きができなかった。

「何するのよ、エッチ!」

身体をしっかり抑えつけられているゆみが叫んだ。

ベッドの側にいた女医が、いつの間にかベッドの上で抑えつけられているゆみの背後に移動し、ゆみの着ていたズボンと下着のパンツまで一気に脱がしたのだった。ゆみのお尻は丸出しになってしまっていた。

「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね」

女医は、ゆみに向かってそう言うと、何かものすごく熱のある熱いものを、ゆみのお尻、右側のお尻に押しつけられた。

「ぎゃあああああああああああああ!」

ゆみは、その熱さと痛みに叫び声をあげると、そのまま気絶してしまった。

悪夢のはじまりにつづく

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